| ■ひょっとして認知症? 【377回】 五十肩の辛さを知る |
| 2012年5月30日(水)12:00[ 健康・病気 ] |

■【377回】 五十肩の辛さを知る [12/04/13]
■体験から語る「医師が病気になったとき」 (その3)
シリーズ第343回のコメント欄「Re:医者とヘルパー」において記載しましたように、現在私は「五十肩」を患っており、2012年3月7日には整形外科の診察を受け、肩に注射(ヒルネート&ステロイド)をしてもらいました。一時的に痛みは改善しましたが、効果は長続きしませんでしたので2回目の注射は受けておりません。その後も、痛みで夜中に目が覚める状態が続いています。
20〜30歳代では決して共感できなかったであろう「五十肩」の辛さも、今ではよ〜く理解できます。私にとって専門外の領域であまり勉強したこともない疾患であったこともあり、若い頃には、「五十肩」なんて肩凝りのきつい状態程度にしか考えていませんでした。しかしいざ自分自身が体感し、しかも痛みのために夜中に目が覚める状態が続くと、注射に依存してしまいがちな患者さんの「弱い心」さえ簡単に共感できるようになります。
五十肩を患った経験がある方も多いと思われますので、五十肩について少々詳しくご紹介しましょう。
シリーズ第341回のコメント欄で音とリズムさんから指摘して頂きましたように、五十肩は英語では「frozen shoulder」(直訳:凍った肩)と呼ばれています。五十肩って呼称も年寄りくさいイメージであまり良い感じがしませんが、「凍った肩」って呼称もお寒い印象を受けますね。
2011年11月号の「関節外科」という医学雑誌において「五十肩を理解する」という特集が組まれており、その中から私が印象に残った記述を以下にご紹介します。
まず冒頭において、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院スポーツ整形外科の筒井廣明医師は、「五十肩は、肩関節の疼痛と可動域制限という2症状があるにもかかわらず、明らかな外傷などの原因がなく、単純X線像やMRI、あるいは超音波などの画像診断で明らかな病態が存在しない疾患群として定義される、非常に不可解な病気である。成書でも、ICD10に採用されている肩関節周囲炎ではなく、五十肩というタイトルで肩の変性疾患のなかに入れられていることが多く、一般の人はもとより、整形外科医も『五十肩』という俗名である疾患名を広く用いている」と概略を述べています(筒井廣明:関節外科 Vol.30 1207-1208 2011)。
(つづく)
笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール

1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。
趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。
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| 2012年5月29日(火)18:00[ ロゴ ] |
| ■ひょっとして認知症? 【376回】 サードオピニオンでも誤診だった |
| 2012年5月29日(火)12:00[ 健康・病気 ] |

■【376回】 サードオピニオンでも誤診だった [12/04/12]
■体験から語る「医師が病気になったとき」 (その2)
さて私は、1998年4月に全身麻酔下に腰痛の手術を受けました。腰痛を発症したのは1997年の年末でしたので、手術までに実に3カ月以上要したことになります。
最終的には歩行障害が悪化し、仕事どころか日常生活にも支障を生じるようになり手術を受けました。強い痛みから逃れるために、酒に溺れ、うつ状態にも陥りました。回復して元気になってから、その時の経験を地元メディアに寄稿したこともあります。
◇ ◇
何故、そんなにも手術までに時間がかかってしまったのか?! 急性の椎間板ヘルニアにおいては、 『手術の適応となるのは、保存的治療を3カ月間行っても痛み、痺れ、筋力低下が改善されず、日常生活に支障があるとき』という治療原則に忠実に従ったからです。
◇ ◇
何を隠そう、この腰痛手術の際に私は、インターネットで医療情報を検索しまくりました。種々の健康雑誌にも目を通しました。そして、最終的にはサードオピニオンまで受けましたが、「第三の意見」も私と同じ意見(3カ月は手術しないで様子をみてみよう)でしたので、痛みをこらえて仕事を続けていました。
しかし結局、3カ月経過してますますひどくなり、ついに手術を決意しました。手術を決意すると今度は、「直接ヘルニアを除去する手術」にするか、レーザー手術も含めた他の手術方法を選択するかでたいへん迷いました。
最終的には、セカンドオピニオンの際に相談に乗ってくれた医師の意見を聞いて、Love(ラブ)法と呼ばれる直接ヘルニアを除去するための手術を受けました。
手術の詳細はシリーズ第312回 『腰痛の常識・非常識(その4)』において述べましたように、実は、私の腰痛の原因は椎間板ヘルニアではなく「腰部脊柱管内ガングリオン」という腫瘍によるものだったのです。
ごく最近、専門誌において腰椎のガングリオンに関する論文を目にする機会がありました(北浜義博、花北順哉:血腫形成を伴った腰椎黄色靱帯内ガングリオン嚢胞の病理・免疫組織化学的検討. 脳外誌 Vol.21 132-137 2012)。1例報告であり、4カ月右下肢痛が継続した68歳男性のケースが紹介されています。
私の手術後の状況は、既に術後10年以上経過しておりますが、後遺症としての右下肢しびれ感は残存したままです。
私の事例は、サードオピニオンまで行っても誤診される場合もあるという実例としては、貴重な事例なのかも知れませんね。
(つづく)
笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール

1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。
趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。
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