
■【264回】 認知症患者のスムーズな入院は難しい [11/12/12]
■「抗精神病薬は中止できるか」問題と定期巡回・随時対応型訪問介護看護(その4)
独立行政法人国立長寿医療研究センター病院脳機能診療部第二脳機能診療科の武田章敬医長は、「平成20年度の診療報酬改定において精神病棟における精神科身体合併症管理加算が新設されており、平成22年度の改定でさらに引き上げられた。精神病床における身体合併症治療が適切に評価され、身体合併症の診療レベルが向上することは重要であるが、その一方で認知症の身体合併症の入院治療の多くが一般病床においても行われている。…(中略)…一般病床においても認知症の人の身体合併症治療に関して、たとえば周辺症状が高度な場合でも家族の付き添いや身体拘束、薬剤による鎮静に頼ることなく、看護師などの病棟スタッフの対応により身体合併症の治療を行った場合には診療報酬上の評価を行うなど、何らかの対策を講じることは必要であると考える。」(武田章敬:認知症を支える地域連携の最前線. 医学のあゆみ Vol.239 425-430 2011)と指摘しています。
◇ ◇
第25回日本臨床内科医学会の日臨内ワークショップにおいて、各地域における認知症診療の現状に関するアンケートの解析結果が報告されました。その中で、認知症患者さんの入院に関するアンケート調査の結果が2011年11月17日付Medical Tribuneにて報告されました(Medical Tribune Vol.44 No.46 18 2011)。一部改変してご紹介します。
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「日本臨床内科医会社会医療部・地域医療委員会の平田泰彦担当常任理事(平田内科胃腸科クリニック)は、各地域の認知症診療の現状に関するアンケートの解析結果を報告。平田担当常任理事は、地域にどのような認知症のためのネットワークを構築すべきかを探るため、今年7月、会員1万6,056人を対象にアンケートを実施した。回答は913人(回答率は5.7%)。1週間に診察する認知症患者数は1〜5人が57%で最も多く、会員の多くが認知症の疑いのある患者は専門医療機関に紹介しているが、入院に関しては、『なんとか対応してもらえる』と『苦労している』がともに46%で、認知症患者がスムーズに入院できない状況が明らかになった。」
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
(つづく)
笠間 睦 (かさま・あつし)プロフィール

1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックと関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務、診療情報部長を務める。認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成--こうした「全国初の業績」を3つ持つという。
趣味はテニス。お酒も大好き。お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば・・・と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。